「天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)」。
秋が深まってくると使いたくなるフレーズです。その意味は「秋は食べ物がおいしいし、食欲もでるので、太ってしまう~」という呑気なものかと思ったのですが、実は恐ろしい意味も含んでいるのです。

ここでは「天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)」に意味と由来について、分かりやすく説明します。

出典・由来は?

初唐の詩人である杜審言(としんげん)が蘇味道(そみどう)に贈った詩の一部に由来します。その部分は以下の通りです。

「雲浄くして妖星落ち、秋高くして塞馬肥ゆ」

この詩にもあるように「天高く馬肥ゆる秋」は「秋高く馬肥ゆ」ともいわれます。(あまり聞きませんが^^)

この詩は、従軍中であった蘇味道に詩を贈って、その労をねぎらい、凱旋の日を期待していることを詠ったものです。このあたりにこの詩の本当の意味が隠されているようですね。

意味は二つある

さて、「天高く馬肥ゆる秋」の意味は二つあります。

秋は収穫と食欲の季節

さて、一つ目の意味は良く使われる意味です。
秋は農作物の収穫が多い時期です。また、天候も暑からず寒からず(最近は夏と冬しかないと言われますが)、空気もすっきりとしていて身体の調子も良い。したがって、食欲もモリモリの季節です。

おいしいものもあり、食欲もあり、馬さえも太ってしまうという意味です。これは怖くないですね。

秋は襲撃の季節

もう一つの真の怖い意味です。杜審言は従軍中、戦争参加中の蘇味道に詩を送っています。

ここで馬肥ゆるは馬が逞しくなってくると解釈します。したがって、秋になると、夏の間に肥え太らせて鍛えた馬に乗り、騎馬民族が強い弓で攻めてくるという警告でもあります。秋は襲撃の季節だから警戒せよといっているのです。

しかし、この詩で意味する騎馬民族が滅びた後はこの意味は次第に使われなくなっていきました。

使い方

日常的には、メールや手紙の季節のあいさつとして使われることが多いです。あまり話し言葉では使いませんね。

例文としては以下のようなものです。

「天高く馬肥ゆる秋の季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか」

「天高く馬肥ゆる秋、読書の秋、芸術の秋、なにをするにしてもいい季節になりましたね。」

ただ、相手の方が太っていたり、体重を気にしている人だと皮肉にも聞こえるので注意あ必要です。

まとめ

◆天高く馬肥ゆる秋は杜審言が蘇味道に贈った詩の一部に由来する。◆意味は二つある
・秋は馬が肥えるような収穫と食欲の季節
・秋は鍛えられた馬が襲撃する季節

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