「ケダニ」と恐れられ、かつて毎年のように死者を出したアカツツガムシが、
秋田県湯沢市三関から大仙市北楢岡の雄物川河川敷など24か所で依然として生息していることが
県健康環境センター(秋田市)の調査で確認されました。
同センターは、「川辺での活動後、高熱などの症状が出た際はすぐに医療機関で受診を」と注意を呼びかけています。
最近はあまり聞かない「ツツガムシ病」。しかし媒体となるダニは絶滅していません。
また、致死率も高そうです。「ツツガムシ病」とはどういう病気でしょうか。
◆ツツガムシ病とは
「古典型」と「新型」のふたつの型のツツガムシ病に分類されます。
・「古典型」
山形県・秋田県・新潟県などの地域で夏季に河川敷(信濃川・阿賀野川・最上川等)で感染する風土病で、
死に至る病として恐れられていました。
「古典型」はアカツツガムシというダニに吸着されて発症します。秋田県で確認されたツツガムシがこれです。
・「新型」
第二次世界大戦の後は古典型はほとんど見られなくなり、かわってタテツツガムシやフトゲツツガムシというダニが媒介して
発症するものが出現しました。
北海道を除く全国で発生が見られます。古典型とは異なり、秋~初冬に発生が見られます。
◆ダニなのになぜ「ツツガムシ」?
「恙」(つつが)は病気や災難という意味であり、そうでない状態として「つつがない」という慣用句ができました。
これとは別に虫に刺されたあとに発症する原因不明の致死的な病気があり、それは「恙虫」(つつがむし)
という妖怪に刺されて発症すると信じられていました。
これをツツガムシ病と呼んだ理由です。
手紙などで、相手の安否などを確認する為の常套句として使われる『つつがなくお過ごしでしょうか…』の『つつがなく』とは、
ツツガムシに刺されずお元気でしょうかという意味から来ているとする説がありますが、これは誤りです。
「恙」(つつが)という意味は前述通りであり、元々あった言葉です。
◆症状
ツツガムシに刺されてからも潜伏期間は5~14日です。
その後、39度以上の高熱とともに発症。
2日目ころから体幹部を中心とした全身に、2~5mmの大きさの紅斑・丘疹状の発疹が出現し、
通常は5日目ころに消退します。
重症になりますと、髄膜脳炎、播種性血管内凝固症候群や、多臓器不全で死亡することもあります。
◆予防
予防ワクチンは無いため、ダニに刺されないことが唯一の予防法です。
まずは、汚染地域に発生時期に入らないことが肝心です。
どうしても、入らなければいけない場合は、長袖・長ズボン・長靴・手袋を着用し、肌の露出を減らしましょう。
また、皮膚の露出部位には、ダニ忌避剤を外用します。
帰宅後は入浴し、脱いだ衣類はすぐに洗濯することが大切です。
◆治療
治療は病院の診断によりますが、テトラサイクリン系の抗菌薬が第一選択です。
その他、クロラムフェニコールも使用されます。
早期に十分量・必要期間服用しないと悪化するケースがありますので、医師の指示はしっかりと守りましょう。
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