地下銀行による海外不正送金が増えて問題となっています。
地下銀行とは何か?また、どうやって不正送金をするのか、
やさしく説明します。
◆地下銀行とは
日本では送金や銀行振り込みなどの為替取引は銀行にのみ認められています。
しかし、正規の銀行を利用して海外送金するにはパスポートなどの本人確認が必要となり不法就労者が利用することが難しいです。
また、手数料も以下の通りで高く感じることもあります。
<窓口で送金の場合平均的な手数料>
・ 10万円以下 3,000円
・ 50万円以下 4,000円
・300万円以下 5,000円
・300万円超 送金額×0.05%に3,000円~4,000円程度を足した額
そのため、不法滞在の外国人が不法就労や犯罪で入手した資金を母国に送金するのに利用されます。
・普通銀行との違い
まず、正規の銀行よりも手数料が安いです。
地下銀行では送金額の1%前後や1回1,000円などが多いためです。
また。送金が迅速、休日夜間でも送金を行ってくれるなど、利用のしやすさから正規の外国人就労者が利用する場合もあります。
中国にも地下銀行はありますが、送金業務に特化した日本の地下銀行と違い、高利貸しなど貸金業務も行っています。
・問題点
さて、地下銀行の問題点はなんでしょうか?
まずは、明確な法令違反ということがあります。
無免許による為替取引は銀行法違反により3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が課せられます。
後は、法の目が届かないため、犯罪のよる資金のマネーロンダリングや、脱税など、犯罪に関わるものが
あるためでしょうか。
◆どうやって不正送金をするのか
方法は以外とシンプルです。
受け取ったお金を個別に送金して渡す方法だと手間や時間がかかりますので、電話などで送金先現地組織に連絡を取り、
現地にプールさせていた資金を送金者の指定した口座へ振り込みます。
なお、この仕組みは合法的な銀行で行われているコルレス契約と基本的には同じです。
コルレス契約とは、各国での中継点の銀行を決め、その都度、資金を移動するのではなく、
地下銀行と同じで、各コルレス銀行から各国の口座・銀行と入出金する方法です。
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