2018年夏の関東は過去と比べても深刻な水不足が懸念されています。
2018年6月29日、例年ではない早い梅雨明けから、関東の一部の河川では早くも10%の取水制限の実施を決めました。
では、具体的に利根川水系のダムの貯水率を見てみましょう。
7月20日現在の貯水率は以下の通りです。
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谷治沢ダムの43%、相模ダムの45%が心配ですね。
梅雨が過ぎてしまっていることもあり、例年にない猛暑のため今後が心配です。
また、台風の直撃も残念ながら恵みの雨にはならなかったようです。
全体では貯水率68%で、下降傾向です。予断はできません。
2018年夏の関東の水不足がなぜ、懸念されているのかその理由は主にに2点あります。
◆梅雨明けが早く、雨が少ない
当然、雨が少ないと、ダムには水が溜まりません。
2018年の関東甲信地方の梅雨明けは6月29日でした。
記録が残る1951年以降、同地方では最も早い梅雨明けで、なんと6月は初めてです。
これまでで最も早かったのは2001年の7月1日でした。昨年より7日早く、平年より22日早いことになります。
梅雨前にもまとまった雨が降っていませんので、天からの恵みが少ないので、ダムへの水がたまりません。
◆例年にない猛暑
7月から35度越えの連発です。2018年は異常な猛暑、酷暑です。
なぜこのような猛暑になんなってしまったかといいますと、太平洋高気圧が5千メートルほどの上空で強まったところ、チベット高気圧が1万5千メートル付近で大陸側から張り出したためです。
7月10日ごろから日本の上空で重なり始めたのが主な原因です。
暖かい空気が二つの高気圧に押しつけられて地上付近で圧縮され、気温が上がったままになり、日本列島が2枚の毛布をかぶっているような状態になっています。
出典:朝日新聞
最近で最も深刻な水不足となったのは1994年(平成6年)です。
この年は1994年渇水とか、平成6年渇水と呼ばれ、東京砂漠という言葉も生まれました
2016年の関東地方の主要な水源である利根川上流部では6月の降水量が60パーセント程度でした。梅雨明けは7月12日です。
7月22日から9月19日まで利根川水系の取水制限が行われ7月29日から9月8日まで東京都で最大15パーセントの取水制限が行われました。
関東地方ではごく一部の地域を除いて断水となることはなりませんでした。
2018年はこれからもまとまった雨が降る見込みはなく、猛暑が続くことも予想されています。
状況を考えると、水不足は一層深刻となりそうです。
すぐに断水になるとは考えられませんが、取水制限が20%、30%となると、強い節水の意識が必要になります。
また、水を大量に使用するプールや、飲食店などには、大きな影響が出そうです。
これから8月を迎えますが、稲の穂がでる「出穂期」を迎え、農業用水の需要も高まります。
じわじわと水不足の影響が大きくなる懸念があります。
いずれにしましても、雨は天のみぞ知るという感じですので、個人、社会での節水で乗り切るしかないようです。
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