お正月の食べ物というとおせち料理に並んで、お雑煮があると思います。
当然のように食べているお雑煮ですが、地方によって違いがあることをご存知ですか。
実は関東と関西では、お雑煮はかなり違います。
地方による違い、家のしきたりによる違いがありますが、関東と関西の大きな違いは以下の通りです。
◆関東のお雑煮
・餅は角餅で焼いてから入れる
・味は醤油仕立てであっさりとしたすまし汁
・具は鶏肉や小松菜など
◆関西のお雑煮
・餅は丸餅で煮る
・味は白味噌仕立て
・具材は里芋、大根など
いかがですか?
関東の方から見ると味噌仕立てのお雑煮など考えられないと思います。
また、関西の方から見ると逆ですね。すまし汁のお雑煮には違和感があると思います。
同じお雑煮という名前の料理ですが、これだけで見ると全く別の料理ですね。
関東では角餅、関西では丸餅が使われていますが、元々は関東も丸餅が使われていました。
丸餅が使われた由来として諸説あります。
「望月や鏡を模した」や、「丸は魂を象徴するかたちである」などです。
では、なぜ関東では角餅を使うようになったのでしょうか。
江戸時代から関東は、角餅を使うようになったと言われています。
その原因は江戸の人口の多さです。当時の江戸は100万人都市と推測されています。世界的にみても大都市でした。
そんな人口の多さから、餅を大量生産する必要があり、いちいち餅を丸くすることが大変でした。
そこで、産み出されたのが四角い”のし餅”です。
のし餅は一度作ってしまえば、切るだけでいいので、作り方や保存、運搬ともに便利だったのですね。
このようにして、江戸から始まった角餅は関東へ広がっていきました。
ちなみにこの角餅と丸餅の境界線は、関ケ原と言われています。
関ケ原を境にして、角餅と丸餅に分かれる。東軍と西軍の戦いは文化の境も作ってしまったのですね。
関東はすまし汁、関西は味噌仕立てですが、関東は武士文化が強く影響を受けており、正月から”味噌をつける=失敗する、恥をかく”ことを嫌ったためと言われています。
味噌は焼けど(失敗)した時につけたり、食器に味噌がついているとみっともないため、失敗したり、恥をかくことを「味噌をつける」といいました。
当時の武士社会では避けたかったということですね。
最後に農林水産省の全国お雑煮MAPをご紹介します。
出典:農林水産省HP
関東と関西などと大雑把にはくくれないことが分かります。
ここまでくると、お雑煮は単なる料理ではなく、文化の一つという風に考えられますね。
【お雑煮に関する記事】
スポンサーリンク
[…] ※ 関東と関西のお雑煮はこんなに違う […]