タバコを吸っている人を最近、あまり見かけませんよね。
それもそのはず、ついに喫煙率が3割を切りました。
日本たばこ産業(JT)の2016年(平成28年)の「全国たばこ喫煙者率の調査」の結果です。
上のグラフをご覧ください。
統計を取ってからの喫煙率のピークが昭和40年です。
男女合わせた喫煙率は約50%。まさに二人に一人がタバコ吸っている時代でした。
男性については、80%を超えています。確かに私の父も、祖父も、親戚のおじさんも、大人の男の人はみんなタバコを吸っていました。(吸っていたような気がします)
昭和の時代まで、禁煙なんて言葉は無かったと思います。会社の中のデスクに吸殻一杯の灰皿があり、オフィスの中は煙っていました。電車の中でも喫煙できていたと思います。
今では考えられない世界ですね。
一方、女性はといいますと、横ばいで男性ほど、喫煙率は減っていません。
割合からいえば男性と同じように喫煙率は減っても良いようなのですが、なぜ、女性の喫煙率は減少しないのでしょうか。
一説では、女性の社会進出の影響があると考えられています。
男性と同じように社会に出て、働くことのストレスや、男性と同じように見られたいという小道具。また、タバコを吸っている男性の中に入ることにより、昔ほどに喫煙に対する抵抗が無くなったことも考えられます。
女性はさておき、男性はなぜ、これほどまでに喫煙率が減少したのでしょうか?
◆健康への影響
一番大きいのは、健康への影響が広く認められたことです。
タバコは様々な身体へ悪影響を与えます。
ストレス解消につながるという考え方もありますが、それをはるかに超える悪影響があります。
タバコには有害と分かっている物質が200種類以上もあります。またこれらの中には40~60種類の発ガン物質が含まれています。
タバコを吸うと一酸化炭素も体内に取り込まれ、体内組織の酸素欠乏により動脈硬化が進み、脳卒中・急性心筋梗塞(こうそく)・大動脈解離などの循環器疾患を発症する危険度が高くなります。
そもそも、喫煙者の肺を解剖するとススで真っ黒になっていると言います。
◆増税の影響
経済的な問題です。
たばこ税の歴史は古く、1876年(明治9年)1月から印紙の添付というかたちで施行されました。
たばこ税という名前は1989年(平成元年)4月1日に消費税法の施行により、「たばこ消費税」が廃止され『たばこ税』という現在の名前に変更されています。
ここ数年のたばこ税の増税の勢いはすごく、2003年(平成15年)7月の増税、2006年(平成18年)7月の増税、2010年(平成22年)10月の増税と「十数年間」で「4度」たばこ税が「増税」されています。
たばこ税については、「取り易いところから取っている」、「健康への影響が大きいため、懲罰的な意味がある」などと批判的な意見もあります。
2016年(平成28年)現在のたばこ税はと言いますと、代表的な紙巻きたばこ(メビウス等)は、1箱20本入で440円です。
その税額は277.47円(内訳:たばこ税244.88円、消費税32.59円 )であり、価格に占める日本の租税の割合は、消費税を含めると63.1%となります。
1日1箱吸うと、一月、440円 × 30日 = 13,200円です。サラリーマンの平均小遣い額は万円を切っていますので、これは痛いですよね。
吸いたくても吸えないという気持ちも分かります。
◆世間の目
最後はタバコに対する世間の厳しい目です。
現在は、タバコ限られた喫煙場所でしか吸うことができません。
理由としては、副流煙によるタバコを吸わない人への健康被害の影響、吸殻等のゴミ問題、火に対する火災の影響などです。
家庭の中でも吸えない方は多いのではないでしょうか。
このような理由で、人々はどんどんタバコから遠ざかっていくと考えられています。
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