偏西風、貿易風、季節風と日本の上空では様々な名前の風が吹いています。
天気予報ではよく聞きますが、違いが良く分かりませんよね?
偏西風、貿易風、季節風はどんな違いがあるのでしょうか。
風は大きく分けると恒常風と季節風の2種類があります。
恒常風とは1年中ほぼ同じ方向に吹いている風です。偏西風と貿易風は恒常風です。
偏西風は緯度35度~65度の間で西から吹きます。
一方、貿易風は緯度30度以下で逆に東から吹く風です。
恒常風のこの風の向きは日本のある北半球の向きであって、南半球では逆になります。
また、季節風とは、モンスーンとも呼ばれますが、季節によって、風向きが変わる風です。
夏は海から陸へ向かって吹き、冬は陸から海へと吹きます。
これで、大体の偏西風、貿易風、季節風の違いが分かったかと思います。
では、次にそれぞれの特色について、説明します。
繰り返しになりますが、緯度35度~65度の間で北半球では1年を通じて西から吹く風です。
(南半球では東から吹きます)
高度が上がるにつれて風速も速くなります。上空8 – 13km付近で風速が最大となり、冬は風速は30m/sぐらいで中には100m/s近くに達することもあります。
飛行機はこの風に乗ることにより、燃料を節約することがあります。
また、偏西風は天気を運んできます。日本では西から天気が変わります。例えば西日本で雨が降っていたら、明日は雨が東日本で降ります。
偏西風は私たちの生活に身近な風ですね。
貿易風は英語では”trade wind”と書きます。
直訳すると、貿易のために帆船がこの風を利用して海を渡ったと考えられていますが、実際は違います。
中世後半の英語では、tradeは、経路や通り道を意味していました。貿易とは関係の無い単語だったのですね。
中世後半の英語の意味するところは、まさに恒常風だったのですね。
18世紀になって、大西洋をヨーロッパから東に行く貿易船が”trade wind”を使うことにより、tradeの意味も変わって貿易を意味するようになりました。
まさに言葉は生きていますね。
季節風は季節によって、風の向きが変わります。
夏は海から大陸に向かって吹きます。まず、夏は強い日差しによって、大陸が温められます。大陸が温められると上昇気流が発生し、大陸に低気圧が発生するたため、海から大陸へ風が吹きます。
一方、冬は大陸の方が海に比べて低温になります。すると、大陸に寒冷高気圧が発生するため、夏とは逆に大陸から海へ風が吹きます。
海に比べて、大陸の方が日光による温度の影響を受けやすいことにより、風の向きが変わります。
なお、日本付近の代表的な季節風は、夏は太平洋から吹く南風、冬はシベリア高気圧からの北風が季節風になります。
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