「あなたは素晴らしい」、「素晴らしい出来だ」と言われると、悪い気はしませんよね。
それは、もちろん、「素晴らしい」が良い意味だからです。
しかし、「素晴らしい」の元々の語源は「ひどい」を指していたというのです。
真逆の意味ですよね。本当でしょうか?
1 群を抜いてすぐれている。大変みごとである。このうえなく好ましい。「山頂からの夜景は素晴しい」「素晴しい演奏」
2 驚くほど程度がはなはだしい。ものすごい。「この柿は素晴しく甘い」「素晴しくおもしろい本」
「もう全く―・く痛いんですよ」〈椎名・深夜の酒宴〉
3 ひどい。とんでもない。
「おぬしもこの女故にゃあ―・い苦労をして今の身の上」〈伎・浮名横櫛〉
出典:デジタル大辞泉
1は理解できますね。
2も一部は分かりますが、「素晴らしく痛い」とは普通は言わない使い方です。
3になると、本当?という感じです。このような使い方を耳にしたら、「間違っていますよ」と、指摘してしまいそうです。
もしかしたら、私たちは素晴らしいの言葉の意味を全ては理解していないのかもしれません。
「素晴らしい」は元々は「狭くなる」「縮まる」 という意味の動詞「窄る(すばる)」が形容詞化されたものです。
元は「ひどい」または「あきれた」という意味で使われていました。
これに接頭語の「す」がついて、当て字として、「すばらし(素晴らし)」になり、「すばらしい(素晴らしい)」と言う言葉になった様です。
恐らく、当て字となった「素晴らしい」に漢字から、晴れやかな意味に変化していったと思われます。
また、現在の「ヤバイ」が危ないの意味から凄いの意味が追加しつつありますよね。このように、反対語のような感覚で変化してきたともいわれています。
◆「素晴らしい」の元々の意味は「窄る(すばる)」からきており、「ひどい」または「あきれた」という意味であった。
◆「素晴らしい」は後からつけた当て字。
◆意味が変化したには、当て字から受けた感じや、反対語として用いられてきたため。
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